英語独学虎の穴  大人になってやり直す人が、英語を使えるようになるために知っておきたい四つのこと 2

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大人になってやり直す人が、英語を使えるようになるために知っておきたい四つのこと 2

2、大量のインプット

第二外国語習得の研究によると、インプット(読む・聞く)が言語の習得に必要であることについては意見が一致しているが、アウトプット(書く・話す)が必要かどうかについては議論があるという。いわく、アウトプットというのは、すでに習得したことを使って何かをする作業でしかない(それはそれで大切だが)。

いずれにせよ、インプットが大切ということについては、いくら強調しても強調しすぎることはない。読むこと、聞くこと、どちらも大切だが、最初からいきなり英語を聞いて理解できるという人は少ないだろうから、やはり読むことがインプットの軸となる。

というわけで、大人になって英語をやり直すという方には、「読む」ことを英語学習の中心に置くことをお勧めしたい。それも「大量に」。

「大量に読む」ことを目指すなら、ある程度正確さを犠牲にしても「どんどん読み進める」ことに重点を置いたほうがいい。一文一文じっくり正確にという読み方では、量をこなすことはできないから。正確さと流ちょうさは、トレードオフの関係(どちらかを立てるとどちらかが沈む)にあるので、どちらも同時にというわけにはいかない。ほとんどの方は「じっくり正確に」という読み方は学生時代に十分やったはずだ。

また、リスニングに対応できるようになるためにも「(ざっくりでも)速く理解していく」こと、その練習を積むことは必要となる。いちいち前に戻らず「読み下す」というスタイルでとにかく読みまくる。スピードも意識して。

学生だった頃、僕に取って英語を読むことは苦痛だった。読むことの目的が「テストの問題に答えられるようになること」にあり、そのために「できるだけ正確に、間違えないように」ということに意識が向きすぎていた結果、英語を読むということは息の詰まるような作業となっていた。

「ざっくりでいいんだ」と決めてから、ずいぶんと楽になったし、そうして「読み進める」ことに慣れると読むことが楽しくもなり、自然と量も増えていった。かつての自分と同じように読むのが苦痛だという人は、「ざっくり魂」で読んでもらいたい。

大切なのは正確な日本語訳を作ることではなく、書き手が伝えようとしているメッセージを受け止めること。一つ一つの文の意味が正確にわからずとも、全体でわかればいい。どうしても伝えたいことはたいてい形を変えて繰り返されている。

特に学習の最初の期間は、「聞く」や「話す」では日本語でできることとの間にあまりにも差があって、心から楽しむということはできないだろう。そうなると英語を「楽しむ」手段としては読むことしかないはず。だからこそ、せめて読むことぐらいは「正確に」よりもまずは楽しんで読み進めることを目指したほうがいいと思う。


もちろん意味がわからなくてもいいから、ただひたすら読み進めろと言っているわけではない。言語学者のクラッシェンによると、習得に役立つのは「理解可能なもののインプット」だという。つまりまったく意味がわからないものを読んだり、聞いたりしていたところで力はつかないということ。

そして理解できるかどうかには、どれだけボキャブラリーがあるかが大きく影響する。文中にわからない単語が多ければ、スラスラ読み進めることはできないだろうし、意味がわからないまま読み続ければ、かえってストレスがたまることになるだろう。

Penguin Readersなど、単語数によってレベル分けされたものから自分に合ったレベル(少し歯ごたえがあるもの)を見つけて読むというのも一つだが、大学受験に向けて単語を頭に入れたという経験がない人は、最初にまとめて覚えてしまったほうがスムーズに行くと思う。昔やったという人でも、読むことが楽しめないという場合、ボキャブラリーが障害になっている可能性を考えてみてほしい。


前々回までで、自分がやったことを詳しくお伝えした。一人で試行錯誤した割にはかなりうまくいったと思う。ただ一つ反省があるとすると、それはリーディングの量が少なかったということだ(3ヶ月だから全部はできていなくて当たり前だが)。

音読トレーニングにかなりの時間を割いたおかげで、音をとらえる力は短期間の内にしっかりと鍛えられ、TOEICでは結果を出すことができたが、それでも「聞き取れている」という実感は得られなかった。

今から考えるとバランスが悪かったのだと思う。リーディングの量が足りておらず、意味をとる力がしっかり育っていなかった。後にリーディングの量が増えていくに従って意味を取る段階が鍛えられ、聞き取れるという実感も持てるようになった。

リーディング力の向上が、リスニング力の向上にもつながる、このようにあるスキルの向上が他のスキルにも影響を及ぼすことを「転移」と言うのだそうだ。


音読トレーニングで「英語の音をとらえる力」を鍛えつつ、大量のリーディングをこなすことで「速く理解する力」を養う。これこそが英語を聞いてもチンプンカンプンという状態から抜け出すための、最も効率的な方法だと僕は考える。英語を聞き取れるようになりたいという方は、ぜひこの二つに本気で取り組んでもらいたい。

ただし、「英語の習得はインプットによっておこる」ということを真に受けて、二年半もの間、読むこと、聞くことにしぼって勉強を続けたが、自分のケースではそれによって話せるようにはならなかった。だから冒頭のアウトプットが必要かという話に関しては、個人的には必要だと思う。では話せるようになるためにどうすればいいかということについては、また改めて書きたい。

「大量のインプットと適度なアウトプット」何を使うか、どう進めるかという各論の部分に違いこそあれ、結局は英語を使えるようになるために必要なことはこれに尽きると思う。

まずは読もう、大量に。


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.03 2011 英語を使えるようになるために必要なこと comment0 trackback(-)

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中島正博

Author:中島正博
塾で中高生に国語を教えていたが、33歳の時に一念発起して英語の勉強を開始し、3ヶ月間の猛特訓でTOEIC920点を取得。

このブログでは自身の経験を元に、英語を話したくても何も口から出てこない、ネイティブの話を聞いてもちんぷんかんぷんという「ゼロ」の状態からどうやったら「1」までたどりつけるのか、その方法についてお伝えしています。

資格:英検一級 TOEIC980点 

英語独学ガイド
大人のやり直し英語部 部長

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著書「たった3ヶ月で920点を取った私のTOEIC TEST最短攻略法」(明日香出版社)

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