相乗効果
あしたのためのその158 「ありがとう文法」
知らない単語でも、簡単に言い換えたあとで後置修飾で説明を加えることでなんとか伝えられるというお話を前回しました。
実際に英英辞書を読むと、限られたスペースで簡潔に説明するために、後置修飾を使って説明されている名詞がたくさんあることに気づくはずです。例えば「boundary」ならオックスフォード新英英辞典では「a line which marks the limits of an area」と説明されています。
ですから後置修飾の感覚が身についたら英英辞書の説明もすっきり入ってくるようになります。そしてまたその単語の説明を読むことで、後置修飾をより自然に使えるようになるという好循環を迎えるでしょう。
本当はこれらのことは単語編やアウトプット編で書こうと思っていましたが、全てのスキルは有機的につながっていますので、文法を強化することでスピーキングなど他のスキルにも好影響があるというのはごく自然なことです。
これはまた詳しくお話しますが、僕はTOEICで920点取ったとき、全く英語を話すことができませんでした。900超えているというと英語ベラベラみたいなイメージをみなさんが持たれているので、あまりにも恥ずかしくてしばらく自分のTOEICの点数を隠していたほどです。
そんな僕がなんとか話せるようになったのは、間違いなく五文型を学んで、そのフレームががっちり頭に入ってからです。これによって単語をどう並べようかといちいち考えなくとも、素早く英語の語順に並べられるようになりました。
それから骨だけの文に自由に肉付けができるようになって、さらに結論をまず言ってから詳しく説明を足していくというスタイルに慣れるにしたがって、英検1級で求められる程度のライティング力とスピーキング力もついていったのです。
またリーディングやリスニングでも、それまでふわ〜っとしかわかっていなかったものが、確信を持ってとらえられるようになりました。TOEICのスコアが伸びたというのはそのおまけみたいなもんです。
あともう一つ、以前お話した「文法の問題集の例文を音読しながらあわよくば覚えてしまおう」トレーニングでも、「ここが主語でこれが目的語で」と、文型のフレームを意識しながらやると暗記の負担が減りますから、ゼロから全て覚えようとするより遥かに楽になります。
どうです?これはテレビショッピングかって言うぐらい、いいことずくめでしょ。この便利さと大切さをぜひ皆さんにも知ってもらいたくて長いこと書いてきたわけです。以前の僕と同じように今まで軽視していたという方、ここで一度勉強し直してみてはいかがでしょうか。
さぁ、長かった文法編もここで一段落。次から何を書きましょうか。応援いただけると更新の励みになります。
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言いたい単語が出てこない
あしたのためのその157 「そうお嘆きの貴兄に」
本当は前回で終わるつもりでしたが、文型+後置修飾を学ぶ利点をもう少しだけ(悪い癖ですね)。
英語で会話をしていて、言いたい単語がなかなか出てこないということがよくありますよね。
会話に登場する予定の全ての単語をしっかり覚えていれば大丈夫でしょうけれど、そんなことは「これについて話そう」と前もって決めていない限り、ほぼ不可能です。相手の反応によってもトピックはどんどん変化しますから、使いたくても思い出せない単語が出てくるのが普通です。
それでなんとかそれを思い出そうとして「um.....」とか「I can't remember how to say it in English.」とか言って制限時間を引き延ばそうとしますが、1分も考えた挙げ句(あげく)に何も出てこなかったら、会話の流れも何もあったもんじゃありません。自分は針のむしろ、それに付き合わされる相手にとっては拷問です。
そんなときに便利なのがこの後置修飾(奥さん、よく見てってよ)!
慌てず騒がず、出てこない言葉をもっと一般的な(簡単な)単語でまず言い換えるんです。例えば「履歴書」が出てこなかったとしましょうよ。
こんな場合はまず「a piece of paper」と簡単に言ってしまいます。それから必殺の後置修飾を使って自分の言える言い方で説明を加えていくのです。
「that summarizes your skills and experience...that fit the position you are posting for」とか、もっとシンプルに「that you give to a potential employer」、それも難しいという人は「that you need to submit......when you have a job interview」でもいいでしょう。そうすれば相手が「You mean, a resume?」と助け舟を出してくれるはずです。
そうしたら「That's it!」とか「Bingo!」と叫んでその単語をゲットするのです。二人でハイタッチするのもいいでしょう。さっきまで曇っていた相手の表情も晴れやかに変わり、二人の会話は再びその流れを取り戻すことでしょう(こんなにうまく行くかしら)。相手もこちらを助けたことで、もっと深く会話に巻き込まれていきます。
そしてそこで教えてもらったものは、苦労した分、そのシーンの相手の困ったような顔の映像、そして言い当ててもらったときの喜びの感情とともに深く記憶されることでしょう。会話も途切れず、さらに単語力も増強されて一石二鳥です。そのためにも最低でも言葉を使って説明できなくちゃなりません。
この言い換えの能力は実戦の会話でかなり役に立ちます。そして後置修飾はこのときにその威力を発揮するのです。
続きます。
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アウトプットも
あしたのためのその156 「ごほうび」
後置修飾が威力を発揮するのは、英語を読んだり聞いたりするときだけじゃありません。話すときや書くときも、これを使えるととても便利です。
5文型のフレームさえ頭に入っていれば基本的な文は作れますよね。5つのフレームに必要に応じた単語を入れればいいだけですから。これだけでも5文型を学ぶ価値はあると思います。文型の枠組みを知らなければ全てをゼロから作らないとなりません。
The actor has written a book.
それに形容詞や副詞や前置詞句を足せば、表現の幅も少し広がります。
The famous actor has recently written a new book about global warming.
そのうちに骨と皮だけの文では味気なくて満足できなくなります。そうなったら動詞っぽいものを含んだ後置修飾を使って、少しずつ肉を足すことを学べば、接続詞でいくつも文をつながなくともある程度複雑な表現をすることができるようになります。
The famous actor, known as an environmental activist, has recently written a new book about global warming which can raise environmental awareness.
後置修飾が自由に使えるようになれば、これまで見てきたように名詞が出てくるたびに詳しく説明することができます。
そして比較やら仮定法やらなどを使えば、肉がついた文にさらに彩り(いろどり)を加えることができます(順番としてはこちらの方が、肉付けよりも先に使えるようになりますね)。
The famous actor, known as an environmental activist, has recently written a new book about global warming which can raise environmental awareness more than any book ever could.
こうやって少しずつ使える表現を増やしていけばいいのです。最初の文と比べてみてください。進化の過程がよくわかるはずです。
本当は「肉付け」の他の武器として「動詞っぽいものが入った名詞の役割をするもの」や、
My dream is to live abroad.
Speaking English fluently is difficult.
She told me that she was ill.
I don't know if she will come.
「動詞っぽいものが入った副詞の役割をするもの」
She went to the station to meet her uncle.
Seen from the moon, the earth might look like a ball.
If he comes, I will tell him.
He remained silent when he was asked his opinion.
にも触れたかったのですが、またとんでもなく長くなってしまいますのでこの辺にしておきます。
学生のときは不定詞・分詞・関係詞・節を別々に習いましたよね。そのために全部ばらばらに扱う方は多いですけれど、そうではなく、名詞(主語・目的語・補語になる)、形容詞(名詞を修飾)、副詞(名詞以外を修飾)という役割ごとにとらえ直してみて下さい。
きっとこれらの「肉付けのための武器」がもっと使いやすくなるはずです(ちなみにこのシリーズではこのうち、形容詞的な使い方に焦点を当ててきました)。
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答え合わせ
あしたのためのその155 「折れない心」
すみません。昨日はパワーが残っておらず、更新が遅れてしまいました。前回からの続きです。
The forethought and care ( ) to the problems which such a small institution must deal with will strike a lot of analysts.
a. have given b. will give c. are given d. given
という問題を解くのに
文の構成を考えて、名詞「problems」を後ろの「which such a small institution must deal with」が後置修飾している、というところまで見ました。
The forethought and care ( ) to the problems (which such a small institution must deal with) will strike a lot of analysts.
するとその直後に「will」という助動詞を伴った「strike」がありますので、これは動詞だとわかります。しかもこの動詞は前の関係詞節の中には入っていないので、これが本物の述語動詞ということになります。
そうなると最初の( )内には動詞がきてはまずいので、直前の主語「The forethought and care」を後置修飾する「動詞っぽいもの」が来ると考え「d」の「given」を答えとするわけです。結局、
The forethought and care ( given to the problems [which such a small institution must deal with]) will strike a lot of analysts.
という形になるんですね。楽勝でした?ずっと後置修飾の話をしてるんだから分詞の「d」だろうっていうのは、なしですよ。
ちなみに上の問題は
The forethought and care given to the problems which such a small institution must deal with ( ) a lot of analysts.
a. striking b. being struck c. to strike d. will strike
みたいに作り変えることだって可能です。やはり主語の後に「動詞っぽいもの」を含んだ長い修飾語が置かれるために、主語・述語の対応を見抜いて( )内に動詞を入れられるか、というのがカギになります。
見た目の複雑さや知らない単語に惑わされてはいけないんですね。これらは形で答えが出ます。文の構造がわからないうちは、こういう問題に勘で答えるしかないでしょう。構造が見える人は一瞬で答えを出せます。
まぁでもテストの問題で間違わなくなるなんてのは、正確に読もうとする努力に対してもたらされる小さなおまけみたいなもんで、もっと大きなごほうびがあります。
でもそれは、また別のお話。
文法編が望まれていないことはよくわかりました。でもあと一回だけお付き合いくださいな。くじけない強い心がほしいです。
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一球入魂 弱気は最大の敵
TOEICだって…
あしたのためのその154 「後置修飾で」
ここまで見てきたように不定詞・分詞・関係詞をばらばらにとらえるのではなく、名詞を後から詳しく説明できる道具シリーズというふうにまとめて扱うとすっきりするのではないでしょうか(もちろん他の使いかたもありますが)。
後置修飾が頭にあるだけで、一見複雑に見える文の構造を見抜くのがずいぶん楽になるはずです。ぜひ皆さんの「武器」の一つに加えてくださいね。
慣れないうちは構造の把握をわかりにくくするだけの後置修飾ですが、ここがばしっとわかっていると、いくつかのごほうびがもたらされます。一つ目はもちろん読む場合も聞く場合も、「動詞っぽいもの」にまどわされずに正確に構文を把握できるようになることです。
二つ目はそれと関連して、TOEICなどの英語試験の文法問題に強くなります。TOEICでは、動詞の形を文脈に合うように正しく変えるという問題がけっこう出題されますよね。
「TOEIC900点越え作戦」というおおげさなサブタイトルを持ちながら初めてTOEICに触れたような気がします。皆さんもすっかり忘れていたことでしょう。たまにはこんなのも。
例えば以下の問題にぱっと答えられるでしょうか。
The forethought and care ( ) to the problems which such a small institution must deal with will strike a lot of analysts.
a. have given b. will give c. are given d. given
さぁ考えタイムスタート!
…考え中
…考え中
…考え中
それでは一緒に見ていきましょう。
まず最初の単語の意味がわからなくとも、Theで始まっているので名詞だとわかりますよね。そして次の単語もandでつながっているので同じでしょう。まぁ「care」は「配慮」ぐらいの意味だとわかりますね。そうなると主語(名詞)の後だから、カッコ内には述語(動詞)が入るのかなと考えながら読み進めます。
すると「problems」という名詞のあとに「which」があるので、後置修飾が始まったと気づき、それがどこまでか考えますよね。これが「deal with」の後で切れるのはわかるでしょうか。元の形は「deal with the problems」だったはずです。つまり、
The forethought and care ( ) to the problems ( which such a small institution must deal with ) will strike a lot of analysts.
という形で、名詞「problems」を後ろから説明しているわけです。ということは…
うーん、残念!ちょうど時間となりました。このあとは皆さんお考えください。なんて引っ張るほどのお話じゃありませんけれど続きは明日。応援していただけると更新の励みになります。
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